大陸(中国)と台湾で違う単語まとめ
2022-04-01
大陸(中国)と台湾で違う単語まとめ
前回、台湾華語・日本語辞書のオンラインサービスで優良なものがないという話を書かせて頂いたんですが、台湾華語を勉強する方法が狭いのに対し、中国普通語はツールがたくさんある事もあり、多くの中国語学習者は簡体字の大陸中国語から学習を始めると思います。
そして中国語の学習を進めていくと、中国と台湾で、同じものでも違う呼び方をするものが結構ある事に気付きますよね。台湾の友達なんかできるとすぐです。
うちは僕が中国普通語で、Nonさんが台湾語学留学で中国語を学んだのでいろんなところで「えっ?」っていう違いが出ました。
自転車とかジャガイモとかトマトなんか典型でした。
日本語 | 中国語(普通語) | 台湾(華語) |
自転車 | 自行车/zìxíngchē | 腳踏車/jiǎotàchē |
ジャガイモ | 土豆/tǔdòu | 馬鈴薯/mǎlíngshǔ |
トマト | 西红柿/xīhóngshì | 番茄/fānqié |
これらを「中国語で〇〇は△△っていうよね~」って言われた時、全部聞いた事もなかったので「はぁ?」ってなりました(笑)。
だいたい「土豆/tǔdòu」なんて台湾ではピーナッツ、中国ではジャガイモですもん。蒋介石が台湾に逃れたのが1949年でそれまで戦争の連続だった中国で農耕は相当国民に身近な産業だったはずなので、ピーナッツとジャガイモの呼び方がどこで分かれて変わったのか知りたくなっちゃいます(笑)。
でもまあ、台湾と中国は商業、文化(音楽、映画とか)ベースでの交流が活発で、台湾で中国の単語で話しても通じるみたいなんですけどね。
という事で、大陸(中国)と台湾で日常的に使われている中国語の単語で違いのあるものをまとめてみました。
食べ物
日本語 | 中国語(普通語) | 台湾(華語) |
ピーナッツ | 花生/huāshēng | 土豆/tǔdòu |
お米 | 大米/dàmǐ | 白米/báimǐ |
キャベツ | 卷心菜/juǎnxīncài | 高麗菜/gāolícài |
まぐろ | 金枪鱼/jīnqiāngyú | 鮭魚/wěiyú |
鮭 | 三文鱼/sānwényú | 鮭魚/guīyú |
ハンバーガー | 汉堡包/hànbǎobāo | 漢堡/hànbǎo |
ヨーグルト | 酸奶/suānnǎi | 優格/yōugé |
弁当 | 盒饭/héfàn | 便當/biàndāng |
他にもたくさんあります。チーズとかインスタントラーメンなんかもそうですが、呼び方がたくさんあってこんなに覚えられないよって感じですよね(^_^;)。
でも台湾は音をそのまま漢語に当てはめてるものが多いなと感じます。「チーズ=起司/qǐ sī」とかそうですよね。街でもよくこの字見かけますしね。これ普通語(プートンファ)では「乳酪/Rǔlào」って習いましたもんね。
マヨネーズもそうですよね。台湾では「美乃滋/měinǎizī/メイナイズー」、中国では「蛋黄酱/dànhuángjiàng」、卵の黄身のソース。中国は完全に意訳ですよね。
インスタントラーメンとかも、ホントよく解んなくなりますよね。
「泡面:Pào miàn」や「方便面:Fāngbiànmiàn」が一般的だと思いますが、辞書で調べると、快食面、快速面、快餐面、速食面なんていうのも出てきたりします。おまけに香港では即食麵なんても言います。
「いろいろ呼び方はありますが泡面、方便面が一般的です」
とか書いてくれてればいいんですが、辞書には単に「インスタントラーメン、即席ラーメン」って書いてるだけですもんね。混乱しますよね。おまけにこれらは「袋ラーメン」も「カップラーメン」もどちらも指すので、明確にどちらかが欲しい時には使えませんよね。
個人的な体験談として上海虹口に留学中、学生寮のコンロが使えず、カップラーメンが欲しくて近所のカルフールに行って、なかなか広いので店員に「喂,方便面在哪儿啊?」なんて聞くと、しっかり袋麺のコーナーに連れていかれ、しかもカップ麺がこのコーナーに無い上に、カップ麺という中国語の単語を知らず、めっちゃいろいろ説明してやっと手に入れたというエピソードがあります。
明確にカップラーメンが欲しい時は「杯面:bēi miàn」か「杯装方便面:bēi zhuāng fāng biàn miàn」と言えば伝わりますし、袋ラーメンが欲しい時は「快煮面:kuài zhǔ miàn」か「袋装方便面:dài zhuāng fāng biàn miàn」と言えば伝わると思います。
乗り物
日本語 | 中国語(普通語) | 台湾(華語) |
バイク | 摩托车/mótuōchē | 機車/jīchē |
地下鉄 | 地铁/dìtiě | 捷運/jiéyùn |
タクシー | 出租车/chūzūchē | 計程車/jìchéngchē |
タクシーの場合は中国では「的士/díshì」の印象が強いです。タクシーに乗るのを「打的/dǎ dí」って言ったりとか。
台湾の「機車/jīchē」は街を歩いていると、あちらこちらにバイク屋の看板が上がってるので台湾に行った事のある人なら印象深いかも。
学校
日本語 | 中国語(普通語) | 台湾(華語) |
小学校 | 小学/xiǎoxué | 國小/guóxiǎo |
中学校 | 初中/chūzhōng | 國中/guózhōng |
高校 | 高中/gāozhōng | 高中/gāozhōng |
単語 | 单词/dāncí | 單字/dānzì |
ちなみに高校は大陸も台湾も同じ呼び方です。高校だけ無いと「?」ってなっちゃいそうなので入れときました。
学校制度については中国と台湾でかなり違いがある為、呼び方にも違いが出ています。台湾では「國民小學:Guómín xiǎoxué」というのが正式な呼び方です。
中国は「大中小」でまず区分されて、「中」が「初め、と、高い」という風に分かれてる感じです。
民主主義と社会主義の違いもあると思うのですが、中国は大学に「重点大学」という政府認定の大学があり、有名大学とその他の大学の扱いの差が激しい印象があります。
生活
日本語 | 中国語(普通語) | 台湾(華語) |
中国語 | 汉语/Hànyǔ | 中文/Zhōngwén |
標準語 | 普通话/pǔtōnghuà | 國語/guóyǔ |
水準/レベル | 水平/shuǐpíng | 水準/shuǐzhǔn |
テイクアウト | 带走/Dài zǒu | 外帶/wàidài |
個人的には「君はどのレベル?」って言われた時、中国語で思い浮かぶのは「水平/shuǐpíng」…日本語で読めば「水平/すいへい」なのですが、台湾では、日本語そのままの「水準/shuǐzhǔn」なんですね。
中国語を学習し始めた頃は「(日)水準=(中)水平」に違和感を感じていたのに、そんなもんかと思って長年すぎると、台湾で「(日)水準=(台)水準/shuǐzhǔn」って言われると逆に「へっ?」って思うんですよね…。
中国語も「汉语/Hànyǔ」って習ってきて、台湾に行った時、古くからの(中国語を学習し始める前からの)知人に「台湾では中文/Zhōngwén って言うのが一般的ですよ」って言われた時は軽く混乱しました。
テイクアウトを意味する「带走/Dài zǒu(中国)」と「外帶/wàidài(台湾)」も恥ずかしい思い出があって…。きりがないからまた今度お話します。
「自助餐/zìzhùcān」や「吃到飽/chī dào bǎo」も違いがあってなかなかこんがらがります。中国では「自助餐/zìzhùcān」がバイキング形式の食べ放題を表す事が多いのですが、台湾ではセルフサービス。文字通りに素直に考えれば「セルフサービス」。「吃到飽/chī dào bǎo」を素直に考えれば、おなか一杯に食べていいのだから「食べ放題」ですよね。まあ、でも「自助餐/zìzhùcān」って中国では「食べ放題」なんですよね…。
パソコン・オフィス
日本語 | 中国語(普通語) | 台湾(華語) |
インターネット | 网络/wǎngluò | 網路/wǎnglù |
データベース | 数据库/shùjùkù | 資料庫/Zīliào kù |
サーチエンジン | 搜索引擎/sōusuǒ yǐnqíng | 搜尋引擎/sōuxún yǐnqíng |
ソフトウエア | 软件/ruǎnjiàn | 軟體/ruǎntǐ |
ハードウエア | 硬件/yìngjiàn | 硬體/yìngtǐ |
契約書 | 合同/hétóng | 契約書/qìyuēshū |
原本 | 原件/yuánjiàn | 正本/zhèngběn |
中国語を学習していて「软件/ruǎnjiàn」とか「合同/hétóng」とか、なかなか頭に入ってこなかった覚えがあります。でも契約書って台湾では「契約書/qìyuēshū」…。まんまやないかい…。
台湾って約50年間も日本の支配下にあったので、大陸に比べて日本的なところが非常に多いんですよね。
似てるだけで関係ないですが、食べるって意味の「吃/chī」の繁体字ってご存じですか?
答えは喫茶店の「喫/chī」です…。
これも知った時「えー---!!」って思いました。
でもま、だから語学って面白いんでしょうね。
僕は英語もやるんですけど、言葉を調べる時は必ず「語源」まで調べるようにしてます。大体ローマ語、ラテン語、ギリシャ語です。
いかがでしたでしょうか。台湾と中国で違う単語は他にもたくさんあるのですが、日本語でも一つの物を差すのにいろんな単語があるのと同じく、多くの人が関西弁を理解するのと同じく、なかなか決まりきった感じじゃないんですね。
まあ「気楽にいきましょう!」ってしか言えないかな。杓子定規じゃなくても、やっぱ、中国語、語学、面白いですもんね。
ではまた。
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